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山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry, 55(2), p.123 - 129, 1994/00
年齢が異なる6体の人体模型(0,1,5,10,15歳及び成人)を用いて、外部光子に対する実効線量をモンテカルロ法で計算した。17keV~8.5MeV範囲の12光子エネルギー及びAP,PA,PLAT,ROT,ISOの5照射ジオメトリーに関して計算した。計算結果は、空気カーマから実効線量への換算係数としてまとめられた。本計算での年齢区分は、内部被ばく線量計算での区分と同じであるので、求められた換算係数は公衆の合計線量(内部+外部)を評価するのに役立つ。AP以外の照射ジオメトリーでは、年齢が下がると実効線量が高くなる傾向が見られるが、APジオメトリーでの年齢と実効線量の関係は複雑なものとなっている。
山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry, 55(4), p.257 - 263, 1994/00
モンテカルロ法及び年齢依存人体模型を用いて、中性子に対する実効線量を計算した。計算は、0,1,5,10,15歳児及び成人を対象とし、熱エネルギー18.3MeVのエネルギー範囲、5種類の照射ジオメトリー(AP,PA,RLAT,ROT,ISO)について行った。また、ICRP Publication 60で勧告されている放射線荷重係数W及び組織荷重係数Wを用いて、実効線量を計算した。計算結果を中性子フルエンスから実効線量を評価するための年齢依存線量換算係数としてまとめた。実効線量は、著しい年齢依存性があることが分った。すなわち、約100keV以下では年齢が大きい程実効線量が高く、反対に100keV以上では年齢が小さい程実効線量が高い。新たに定義されたQ-L関係式に基づく周辺線量当量H(10)と実効線量の比較より、子供の年齢グループに対しては、AP,PA,ROTのジオメトリーでH(10)が実効線量を必ずしも安全側に評価しないことが分った。
杉浦 紳之
保健物理, 27, p.171 - 173, 1992/00
1991年11月5日から8日までドイツで開かれたCECワークショップ「放射性物質の体内動態と線量評価に関する年齢依存要因」の概要をまとめた。会合は、放射線感受性が高く放射線防護の重要な対象である胎児や乳幼児の体内被曝線量評価手法を確立することを目的としている。会合は、ミュンヘンから列車で約1時間半のところにあるクライスの古城ホテルで行われ、14ヶ国から約60名の参加があった。会合は9つのセッションからなり、胎児、消化管、呼吸器、骨等における放射性物質の体内動態に関する報告の他、動物実験結果のヒトへの外挿やリスク評価の考え方に関する報告がされた。より精度の高い線量評価を行うためには、生理学的により現実に近い放射性物質の体内動態の記述と線量評価を行うべき放射線感受性の高いクリティカルな細胞の同定が重要であるとの議論がなされた。
松本 史朗*
PNC TJ1533 91-001, 160 Pages, 1991/03
本調査研究の目的は,環境面から見た核燃料サイクルに係る安全研究の体系化を図り,現在の研究の動向を整理評価することによって,将来にわたって必要な研究を明確にすることである。このため,本年度は上記目的達成のための第一段階として以下の調査を実施した。(1) 年令依存線量係数に関するICRPの検討内容の把握,生態圏移行モデルの検証研究(BIOMOVS)の状況の調査および主要な学術誌を対象とした関連文献の抽出による国内外における研究の動向調査。(2) 他分野の環境研究調査として,最近の酸性雨モデルの検討。また,上記調査を踏まえ,核燃料サイクル各分野の環境安全研究の体系化を図るための基礎的検討を行った。